兎屋紙バンドのメインブランドの「兎屋コレクションカラー紙バンド」は愛媛県四国中央市のM社で作っています。もう18年のお付き合いです。
M社の事は、30代頃勤めていた静岡県富士宮市の製紙会社社員の時代になんとなく知っていましたが「紙バンド加工はもうやって居ないんじゃない?」と言う方もいました。しかし、兎屋を営んで行く為にはM社との取引が必要と考え、20代の頃に勤めていた愛媛県四国中央市の紙代理店の仲間に動いて貰い、M社のT社長に面談をして貰ったのが2002年の秋、以来18年のお付き合いです。もし、M社が紙バンド加工事業から撤退していたら兎屋はやめる積りでした。

M社の主たる事業は紙加工で、しかもほとんど精密な紙加工です。その為当然紙バンド事業は二次的な扱いでした。しかし2~3年過ぎた頃からT社長の気持ちに変化が有ったのか?紙バンド事業について真剣に取り組もうとおっしゃって頂き、同時期に工場責任者として入って来たMさんと言う方がすごい方で、見る見る紙バンド工場の雰囲気が変わり始めたのです。
今では「兎屋」がなにも頼んで居ないにも関わらず、T社長とMさんは毎年の紙バンド事業方針を具体的に立て、私に「今年はこうするよ」などと言うようになりました。そこで私が心配したのは、十数年培って来た信頼が過去と同じ付き合いでは保てないと思った事です。なのである時の酒席でT社長に宣言しました「もう工場内には入らない事にします」
十数年、普通に工場内に出入りし、一緒に手芸用紙バンドの品質向上に取り組んで来ましたが、M社が新しい事をどんどん始めて行くと、M社の企業努力を(見る)場面が多くなるのです。これはヤバい!信頼は貰っていても、やはりどこかで疑念が生じる事は(ある!)ならば、もう工場に入らない方が良いとの判断でした。そして先に宣言する事が大事。
私の宣言に対して、T社長の即返事「そうしてくれる。いつか言おうと思っていたんですよ」
あぁ先に宣言して置いてよかった!!!という事で3年ぐらい前から私はM社の工場に入った事はありません。しかしこの3年間でM社による「兎屋コレクションカラー」の品質がすごく上がったという事です。そしてまだまだM社の腕は上がると予想しています。これは簡単な予想です。
[…] でもこれは普通の風景、ここからチャレンジが始まるのです。兎屋とお付き合い頂いて15年以上になりますが、まぁ苦労の連続でした。でも決して(こんなもんですよ)とは言わない。次はこうしよう、今度はこのやり方で・・・・が延々続きます。もちろん工場の景色も年々変わっていくので、数年前から私はもう工場に入らない事にし、その旨をその会社の社長に宣言したほどです。信頼関係を保つには大事な決断でしたし、この会社の努力は兎屋のモノじゃなくなっていると感じました。でもそれでいいのです。奇跡の製紙会社/高知県と、信頼の紙加工会社/愛媛県。この2社のお蔭で「兎屋コレクションカラー紙バンド」が出来ています。そしてずっと兎屋を見守ってくれている四国中央市のT商事・・・・・ありがたい事です。もちろん毎度の事ながら「兎屋コレクションからー紙バンド」のファンの皆様には感謝しています!!その為にも今の品質を保ちつつ期待に応えて行かねばと思うのです。(2017秋兎屋佐野) […]
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