#51 強靭な高知県産原紙 2017

兎屋ホームページ の一節に・・・強靭な「手芸用紙バンド原紙」・・・と有ります。この強靭な紙を作る製紙会社は兎屋が2008年夏に出会った時からお付き合いさせて頂いている高知県の小さな製紙会社の事を言います。その製紙会社はサッパリ気質の気持ちの良い兄弟が2人で営んでいます。

高知県の小規模製紙会社は和紙加工所からの流れが濃厚です。

2008年のある日、2言3言話してすぐに兄弟の人柄の良さに気が付いた私は、初めての出会いなのに、何年も付き合っているかのように振る舞い、長時間にわたって兎屋の事や紙バンドの事を熱く話していました。私にはこのような事はまぁまぁあるのですが、あとでその日の事を兄弟に聞くと

・・・・・この人?誰?・・・ だったそうです。汗)

紙バンドに使用する抄紙機械は丸網ヤンキードライヤー式と呼ばれていてちょっと特別です。まぁ以前は特別ではなく中小製紙会社のマシンとして普通でしたが、中小製紙会社が淘汰されるに従い消えつつある抄紙機です。形式の近いものとしてはトイレットペーパーの抄紙機があります。大手家庭紙系のマシンが大型・高速化している中で、昔からの丸網ヤンキーマシンは少数派です。しかも色紙を抄く機械はもっと少なくなっています。

2017春の新色を準備して貰いました。一番手前のがそれです。写真だと伝わりにくいかもです。

私が高知県で見つけた兄弟の製紙会社は、皆さんがパーマを掛ける時に使うパーマネント紙を主力に抄いている会社で、耐水性と加工に適する強度のある紙を作っています。丸網ヤンキーマシンは引張強度高い紙を抄くのに適しています。

そして人間にもそれぞれ個性が有るように、機械にも個性があり、兄弟会社の抄紙機械は「特に強度が出る性質」だったのです。この事は次々と加工が控えている紙バンド製造には有利な事です。

高知で見つけた強靭な紙は、気の良い兄弟が真剣に作ってくれています。私はこれらの事を紙の仲間に説明する時、誇らしく「奇跡の製紙会社」と呼んでいます。このような製紙会社は世界中探しても無いと私は考えています。