兎屋コレクションカラー紙バンド「赤ぶどう」のロットが切り替わりました。新ロットは前ロット色と比べて若干色が薄く?淡く?渋く?なっています。兎屋「赤ぶどう」紙バンドは平成14年デビューで、当時流行っていたアメリカンカントリーの枯れたイメージを念頭に作り、兎屋オリジナル紙バンドとしてはオリジナルのファーストカラーです。

「赤ぶどう」デビュー当時、紙バンド手芸はまだヨチヨチ歩きの時代で、色も「アカ」「クロ」「シロ」「キイロ」「グリーン」「アオ」「ムラサキ」「オレンジ」と言うような単純色だけでした。
しかしこのような色では、産声をあげた紙バンド手芸が廃れる、中間色を作って行かなければ!と思っていました。それだけに、私にとって「赤ぶどう」色は特別なのです。
実はこの色は厄介です。厄介?と言うのは、「※抄造」ロット毎に色がずれる傾向が有るという事、しかも兎屋は極小ロットで抄造するので尚更です。今年で14年目の「赤ぶどう」ですが、何度も作っているうちに元の「色」から離れたり、近づいたりを繰り返しています。
また、近似色の「とまと」「やまもも」「べにさつま」「ぶどう」「あずき」と言った色との関係や、私の好みが 濃い目 、こってり と言うキーワードに引っ張られる傾向もあります。
さて、私にとって特別な「赤ぶどう」色の紙バンドですが、近似色が多くなった事や、色の種類が増えるにつれ、色としての人気が落ちています。兎屋の場合は赤色系紙バンドが多いのも理由です。
「赤ぶどう」はこのロットでもう止めようか?とチラリと考えたりしていますが、新ロット色が(私にとっては)なかなか渋く仕上がったので、もしかしてこの色を認めて下さる方が現れるかも?と思ったりします。枯れた感じの「赤ぶどう」は単色ではなく、サシ色として枯れ系色と相性の良い「青ねずみ」「あい」「ぎんねず」辺りを配すると、(錆びながらクール)という不思議なイメージで良いのかな?と思ったりします。そして不思議な事にアメリカンカントリーのイメージで作ったのに、かなり日本を主張する和の色でもあるのです。
※抄造/しょうぞう:紙を抄く事・・・・色別に紙を抄くロット(=パルプの仕込み量)が少ないと色合わせが困難です。簡単な色は良いのですが、合わせにくい色だと、抄造現場で・・・・→やっと色が合った!・・・と思ったら・・・・→えっパルプ原料が無い!・・・→終わった・・・・=仕上り原紙量が少ない・・・・・になるのです(汗)