紙の色をさがす 2016

昨年(2015年)1月から元の兎屋に戻り活動を開始しています。元に戻ったという事は、2002年から一人でやって来た兎屋スタイルに戻ったという事です。2年程ある会社と組んだ事もありましたが、結局は信頼できる仲間と一緒に、自由にコツコツ、マイペースでノビノビと紙バンドの仕事をするのが良いのだと気が付いたのです。これは性分です。

兎屋スタイルという事は、「自分で製品を作り販売する」という事です。兎屋の場合は手芸用紙バンドという事ですが、手芸業界の事をほとんど知らなかった私が、手芸?手芸用紙バンド?と思い詰め、たどり着いたのが「紙バンド=紙製品」という単純な事でした。これは紙業界で仕事をしている私には動きやすかったという事、紙バンドは紙業界の仕事だったのです。

要は①紙業界にいたから紙バンドの仕事を見つけることが出来たし、②紙業界にいたから独自展開が出来た、と思っています。もちろんこんな事を2002年創業時から思っていた訳ではなく、それは後で思う事なのです。

但し、紙業界としての「新しいカテゴリー紙製品」がどういう意味を持つのか?は割と早くから感じていて、お蔭で長く低迷している紙業界の仲間からは、面白がられたり、めずらしがられていて、自分的には「おいしい」です。

さて、兎屋紙バンドは相変わらず独自路線で展開しています。3月には兎屋紙バンド製造を行う予定です。そしてお楽しみ新色も1色準備しています。本当は新色を3色ほど一度に作りたいけれど、資金が無いのでコツコツ1色ずつ出すのです。まぁこれも寄り道をしてしまった報いですけどね(笑)

で、その1色はどんな色にするのか・・・・たった1色なので悩みに悩むのです。そんな時、手に取るのがDIC/大日本インキ化学の「日本の伝統色」という色見本帳です。基本的に兎屋紙バンドはDICの「日本の伝統色」からヒントを得ています。しかしというか、当然なのですが、見本帳の色通りに紙が抄ける事はまず有りませんが、出来るだけその様にする・・・・という事でカラー紙バンドを作って来ました。

来月の紙バンド加工に間に合わせるためには、製紙工場では2月中には紙を作っていなければなりません。まぁ14年間こんなことを何度も繰り返しながら、DICの見本帳をパラパラめくりながら、頭の中でイメージした色を探しているという事です。