20代後半の頃は暇になるとよく浅草へ来たものです。

私の20代後半と言えば、昭和60~平成2年頃。浅草は今のように人がどっと押し寄せるような町では無く、場外馬券場あたりはおじさん達がたくさんいました。若い人はあまり見なかったなぁ・・・・その頃は六本木や渋谷が賑わっていました。でも、浅草にたむろっている癖のありそうなおじさんやおじいさんたちの横を通り過ぎる時、耳をそばだてていると、戦中~戦後をすごく感じたものです。いまでも耳に残っているのはおじさんA:「・・・・軍曹と曹長はどっちがえらいの~・・・・」おじさんB:「曹長よ・・・」

これは昭和58年頃、浅草で聞いた会話です。そう言えば半分露店のような骨董屋さんの端の方に、旧軍の階級章(レプリカ?本物?)が置いてあったりしてました。おじさんAやおじさんBにとっては旧軍はまだ身近な存在だったのでしょう。それと、もう一つ思い出に残っているのは、国際通りの横断歩道を渡っていたら、向こうから来たおじさんが謡曲を口ずさんでいて、おもわず(渋っ!)と思いながら振り返りました。こんな場面は六本木や渋谷あたりでは無いなぁと思ったものです。
