♯7 紙の仕事 2015

紙バンドの仕事を始めてすぐに気が付いたことは、この仕事は「紙の仕事」と言う事でした。
私は紙代理店→製紙会社からの兎屋紙バンド仕事です。紙繋がりでよくあるパターンにも思えましたが、まてよ?あまり紙バンドにとらわれていては間違うぞ!と思ったのです。そして改めて紙バンドを眺めて見ると、簡単にその答えを見つける事が出来ました。紙バンドとは紙製品だという事でした。単純ですけどね。

紙業界のすそ野はとても広く、印刷物、包装資材、家庭紙、工業製品、など様々で、各種業界、各場面で使われています。でも共通点は一つ、「紙を加工する!」です。紙バンドも加工を繰り返して紙バンドになっています。

紙バンドの仕事をするという事は、当然紙バンド業界の影響を受けるという事ですが、あまり紙バンドにとらわれると、資金力のない兎屋は跳ね飛ばされるのがオチです。ならば小さな紙バンド業界?はさておいて、他の取り組みをして行くべきで、そのカギとなるのが「原紙」だと考えました。

また、紙バンドに使用する紙のうち、カラー原紙はほぼ100%を愛媛県四国中央市のたった2社の製紙会社どちらかの紙が使用されていて、皆さんが使用しているカラー紙バンドをたどって行くと、四国中央市のA社・B社の製紙会社どちらかにたどり着きます。

※カラー原紙抄造については例外もありますが僅かなので無視で良いと考えます。

ところが紙バンド加工を行う会社は、愛媛県には1社だけで、残り数社はすべて静岡県という形になっています。このあたりにも紙バンド業界のある形が見えるので、静岡県の紙バンド業界はさておいて、兎屋としては、基本の「紙」にこだわりたいと強く思うようになったのかもしれません。

※ちなみに兎屋紙バンドのカラー紙バンドは愛媛県の紙ではありません。

そして兎屋が紙にこだわる一番の理由は「紙加工」の場面でどれだけスムーズに加工が出来るか!その結果良い製品が出来上がるか!です。これは各種印刷・製函・製本・製袋・カッター・スリッター・抜き・などなど「紙加工」のところで、紙業界の方の重要な取り組みどころとなっているのです。

紙バンドの場合も同じです。良い手芸用紙バンドの生産には紙バンド加工屋さんの技術力や考え方が大いに影響されますが、兎屋は加工を委託する形ですので、加工場面は直接にはタッチしません。しかし兎屋が供給する紙には責任があるという事です。紙は紙バンドにとって命です。