渋谷駅徒歩6分 2015

渋谷駅に来ると学生時代にやっていたアルバイトの場面を思い出します。

それは昭和56年頃にやっていた花屋アルバイト。都内各方面にゲリラ的に出没しては生花を売っていました。渋谷の場合は路上ではなく、JR(当時はまだ国鉄でした)と井の頭線との連絡通路のところに店?を出していました。今から考えるとめちゃくちゃです。その日は新人君と一緒に渋谷駅の裏?モアイ像の方にポンコツのタウンエースを乗り付け、階段を何度も往復して生花の入った段ボール箱を通路に長く縦に並べ、バラを山盛りにして「10本300円」で売りまくるのです。ホント、今思うとでたらめでした。

夕方、一人のご婦人がバラを買ってくれました。その時彼女から言われた事

ご婦人「お兄さん、このバラ大丈夫?しおれない」

私  「大丈夫ですよ、もししおれたら水を揚げてください」

ご婦人「バラの水揚げはむつかしいよ」

私  「大丈夫ですよ」・・・といいながらやり方を教えてあげました。

翌日、テキヤのゲリラアルバイトなので定期的に店を出すなんて無理ですが、その時は二日続けて出店?したのです。ぼんやり花を売っていたら、声を掛けられました。

ご婦人「お兄さん!あなたの言うとおりにやったらうまく出来たわよ!」うれしそうな声で話しかけて来たのは昨日バラを買って下さったご婦人でした。

私  「そうでしょ~」

丁度他のお客さんが付いたので、そのご婦人と話の続きをすることは出来ませんでした。ご婦人はしばらく佇んでいましたが、私のお客さんが長くなっていたのでいつの間にか去って行かれました。変なアルバイトをやっていて多少荒んでいた頃でしたが、なんだかうれしかったです。今は様変わりの渋谷駅ですが、あの時の情景は今でも浮かんで来ます。

今回の上京の目的地は裏渋谷の築50年の雑居ビルの4階。若い製作者グループが年に1回の発表会をするというので見に行ったのです。年は22歳の子達です。うん?22歳!ワシが渋谷駅の通路で生花を売っていた時と同じ歳じゃないかぁ ガァ~~~~~~ン なんという違い。