高知から静岡へ引っ越して来た去年から本の整理 に入りほとんど毎晩(昔読んだ本)を読み、読後処分しています。今回読み終えた「幕府歩兵隊 野口武彦著」は2002年11月初版となっていて、購入もその頃です。と言う事は兎屋を始めた時期ですので、約12年振りの再読となっています。
内容を簡単に言うと、幕末~戊辰戦争の頃、徳川幕府が編成していた幕府の歩兵隊というあまり陽の当たらなかった軍事組織について成り立ちから変遷~終焉までをさまざまな資料を基に描いている本と言う事です。幕末~戊辰役~明治維新は日本史のなかでも大きな動きがあった時期で、倒幕派、佐幕派など立場の違うさまざまな人々や組織が活躍しましたが、幕府歩兵隊についてはあまり描かれる事はなく、そのことが著者の方の執筆同期の一つだったようです。
12年前に読んだ時、面白い、興味深いという印象はありませんでしたが、今回は内容がすぅ~っと頭に入り「そうだったのかぁ~」と思う場面が多かったのです。幕末を舞台にとくに会津藩を中心に描かれてる小説などを読むと、必ず出てくるのが古屋佐久左衛門の「衝鋒隊」や大鳥圭介の「伝習隊」などの脱走歩兵隊ですが、あまり詳しい説明はなく気にはなっていました。今回、幕府歩兵隊の事について詳しく書かれた本を読んで見ると、脱走歩兵隊に対して今までとは違った印象を持つようになりました。この本、なんとも珍しい本だったという事に12年経って気が付きました。