1812年の雪・・・モスクワからの敗走・・・


読書量がピークだった20代~30代の頃に手当たり次第に読んだ本とともに引っ越しを繰り返しています。そして今回(2013)の高知県から静岡県への引っ越しの際にもかなりの本を持って来ました。本の引っ越しは重いので、転居の多い私の場合、引っ越しの度に破棄していますが、それでも段ボール箱数箱になります。でもこの先何年生きるのかと思うと、私が死んだあと家族が整理し易いようにして置きたいので、これらの本をもう一度読みながら破棄しようと思い始めました。
で、その第1冊目に選んだのが「1812年の雪」というナポレオンのロシア侵攻の本です。ちょっと見た目は外国で出版された本の日本語訳のような印象ですが、この本はれっきとした日本人の方の著書です。


この本を買ったのはたぶん昭和60年の夏か秋頃・・・・ナポレオンに興味が出た時期で、書店で目に留まった「モスクワからの敗走」という副題が、第二次世界大戦時のナチス・ドイツ軍のロシア戦線敗退とダブりました。
28年振りに読んだ「1812年の雪」・・・・今更ながら内容に驚きました。前回読んだ時にこれほどびっくりした記憶は無かったです。これは歳を重ねたおかげで文章を具体的にと言うか、自分に置き換えながら読む事が出来たからかも知れません、とは言うものの、書かれている現実が凄まじいので、早々に自分に置き換える作業は破綻し、これは事実と信じながらも、昔の人間って現代人よりも生命力あるなぁと思ったり、その生命力の強い人がどんどん死んで行く過酷な環境が繰り広げられている事に驚きながら読んでいました。
それにしても6月24日ニエーメン河を渡ってロシアに侵攻して行った47万人の大遠征軍が、ロシアの夏将軍(冬将軍ではないです!)に痛めつけられ、戦いらしい戦いが無いまま、わずか1か月後の7月28日には25万になっていた事だけでも、ナポレオンのロシア遠征の過酷さが証明されています。本のページ数から言うと、この時点でまだ44ページです。呪われたロシア遠征の本当の地獄はまだまだ先の事で、特にモスクワからの敗走記述(ここから恐ろしい冬将軍の出番です)は想像を超えた過酷なものとなっています。因みにこの物語(文庫本)の最終ページは244ページです。
フランスでは今でもナポレオンはヒーローだそうですし、私達日本人でも(時間的にも地理的にもはるかに遠い東洋人なのに)ナポレオンと聞くとなにか英雄的な目で見ますが、この本を読むと、ナポレオン感が変わる事でしょう。独裁者の本質が垣間見えますよ。おそろしきはナポレオン・・・