ベトナムのビジネスマン東海道線2008

昨日東京の友人宅から富士宮市へ向かっている時の話です。小田急から小田原~熱海~沼津と乗り換えを重ね、沼津駅で向かいのホームの電車に乗り込もうとしている時、眼の端に入った風景が有りました。それは、東洋人らしき男性がまさに発車しようとしている電車の車掌に話しかけている風景で、通りすがりに耳に入った単語が「・・・・NAGOYA・・・・・」でした。(私も同じ電車に乗りました)きっとこの電車が名古屋に行くのかどうか?尋ねているに違いありません。しかし片言の英語(というか聞き取りにくい英語でした)で話かけられた車掌さんは、出発間近の事も有り、その東洋人に丁寧な対応は出来ない風で、しかもすぐに出発のアナウンスが始まり、取り合っている訳にも行かず、東洋人もせき立てられるように電車に乗りこんで来ました。その一部始終を見ていた私は、電車に乗っても目は、東洋人から離れませんでした。


東海道線下りは名古屋を通過します。(普通に)乗っていれば2~3回の乗り換えで必ず名古屋に着きますが、残念な事に(彼にとっては運の悪い事に)乗った電車は、2時間に1回くらいの割合で途中の富士駅から身延線に入る列車でした。しかも路線地図は豊橋までしか掲載されていません。

その東洋人は訳が分からない風で、車掌さんに話しかけたいけどガラスで仕切られてるし、路線図には肝心の名古屋が載っていません。顔には(私不安です)と書いて有りました。このままだと彼は名古屋とは全然方角違いの身延線の身延駅まで持って行かれる事は確実です。

コリャいかん。と思った私は、席を立って彼の横に行き、耳元で囁きました「NAGOYA?」すると(そうなんですよ!)と言った顔で振り返った彼は訛りの強い英語で話しかけて来ます、機関銃のように。私は英語は知りません。きっと英語で話しかけられるだろうなと思っていたのでその状況は想定内です。で、ペンで書く振りをすると、彼は汚いレシートの裏に書いてあるメモを見せてくれました。それには確かに沼津~島田~浜松~豊橋~名古屋と時刻入りで書いて有りました。そこで彼をドア横の路線図の所に誘導し、身振りと片言の英単語を交えて、この電車は名古屋方面には行かないよと説明をした所、どうやらその東洋人も納得のようでした。最悪のパターンは避けられたようです。

で、ここからは私の好奇心。英語は知らないけど彼が何人か知りたい。「どこの国の人ですか?」の代わりに、英語で?尋ねました。「チャイニーズ?」すると彼は答えました「ベトナム」ふ~んベトナムから来たのか・・・・次の質問はと言うと、お約束で「ビジネス?」「イエス」まぁこれは見たまんまだな。で、そこから次の話に行けません。本当はいろいろ聞きたかったけど、英語を知らない私には無理でした。で、彼に言いました。「ナゴヤ スリーアワーズ」彼は目を丸くして「スリーアワー!!!」で、私は「イエス!スリーアワーズ」・・・・ハングルだったらもっとなんとかなっただろうに・・・・・・。

私は富士駅で降りるので、一緒にかの東洋人を降ろし、ホームの電光掲示板の下に連れて行き説明しました。彼も状況は判ってるようで、しきりにうなずいていますし、私も了解しました。彼と別れてホームの階段を上って行く時にもう一度振り返りベトナムのビジネスマンを見ながら手を大きめに降りました。彼もちょっと会釈?しながら手を挙げました。それでお別れです。英語が出来れば友達になれたかも知れません。後悔はありませんがちょっと残念でした。スーツを着たナマズひげのベトナム人でした。

※沼津駅からの身延線直通列車はダイヤ改正後廃止となりました。なので外国の方の乗り間違いは少なくなったと思われます♪

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