先週の日曜日、高知市で開催の馬術大会を終え、四万十市まで帰る時の話です。ちょうど中間点の四万十町(旧:窪川町)に差し掛かると、私の運転する車内にいる生徒達がざわめきます。朝、高知市に向かう時にも、ざわめきはあったのですが、お目当ては見れませんでしたので、帰りはどうなんだろう?いるかな?・・・・
実は、国道56号線沿いに在る牛小屋で一頭の馬が飼われていて、名前は「ボジョレー」と言います。今年の春先まで幡多農高馬術部に在籍したいた老馬で、やさしい性格から、初心者ばかりの幡多農馬術部部員はみんなお世話になり、基本の乗馬姿勢をみっちり仕込まれた時、常に一緒にいた馬です。本来なら使えなくなった馬は処分される確率が高いのですが、幸いな事にボジョレーは幡多農馬術部OBの方に引き取られ、余生を送る事が出来たのです。馬に関わり、馬と生活するという事は、常に「運命が伴う」という事を生徒達はK先生からいつも聞かされていて、命は永らえたけれど、別れなければならなかった馬を見かけると、やはりざわめいてしまうのでしょう。


だんだん牛小屋に近づくに従い、今までのおしゃべりはストップ、みんな窓の外を見ているようです(私は運転ですので後ろの様子はあまりわかりません)そしてY先輩の「いるいる!」という声と共に後ろの窓が開き、ついでに助手席に座っていたK君も窓を開け、Y先輩とK君同時に「ボジョー!」と大きな声で呼びかけました。すると今まで下を見ていたその馬が、さっと顔をあげたのです。車は一瞬で通り過ぎたので、ボジョレーの顔の方向は声をかけた時に車が走っていた地点を向いていましたが、確かに聞き覚えの有る声がボジョレーに届いたに違いありませんでした。
その後、暫く車内は静かです。生徒達それぞれが持っているボジョレーに対する思いを振り返っていたのかもしれません。初めて乗った馬がボジョレーの子もいるでしょうし、基本的な所はボジョレーで教わった生徒がほとんどだと思います。生徒達にとっては特別な馬なのでしょう。私も運転しながらいろいろ考えていました。実はこの写真は昨日(15日)四国中央市日帰り出張の帰りに車を停めて撮った写真です。日曜日は一瞬だったので、生徒達にもっと見せてやりたいと思ったからです。なんだか私も馬に嵌まって行くようです。と言う事で、6月は2週連続で香川県遠征の運転手を買って出ました。私なりに馬を取り巻く諸々を見て行こうと思っています。 それにしても 嗚呼ボジョレー!