くすのき(楠 )2008

私はクスノキ(楠)が好きです。木の形、葉っぱの形はいかにも木って感じです。子供の頃は運動場のクスノキに登ってぼんやりしていましたし、クスノキから樟脳が取れると教わった時には、偉い木だなぁと思ったものです。また漢字がいいです。木編に南です。いかにも南国の木です。なのでこの木は四国に移住して来て特に目につきます。同じ南国系の木としては栴檀:センダンが有りますが、粉っぽいのであまり好きではありません。因みに栴檀の木や、アオギリ等も運動場に植わっていました。さてクスノキ、自然木としてこちら高知では山に多い木でも有ります。東京あたりでは公園や緑地でクスノキの大木を移植しているのを見かけますが、南国の空の下でこそクスノキだと思っています。そのクスノキに花が咲きました。

事務所まで4kmの道のりで、ほぼ真ん中に一本のクスノキが有ります。国道と川の間の歩道わきにあり、夏炎天下のウォーキング時には良い休憩ポイントです。今朝もこのクスノキの脇を通りながら眺めていて気が付きました。全部若葉で花が咲いていました。クスノキはおおざっぱな分け方をすれば常緑樹ですが、私はその呼び方があまり好きではありません。特に四国の西南部に自生する自然木で多いのが、葉に照りの有る常緑広葉樹で、それらを「照葉樹」と呼んでいます。いかにも南国の山にうっそうと茂っている表現で好きな呼び名です。足摺岬周辺はまさに照葉樹林で覆われていて、これより南は海で、その先の沖縄に行けば、植生は大きく変わり亜熱帯林になります。亜熱帯までは行かないが、黒潮のおかげで暖かな高知では本州と同じ温帯林でも、南国の景観が有ります。

立ち止まって観察です。なるほどすべて若葉です。一度に葉が落ち若葉が出ていて、同時に花が満開です。秋の落ち葉のような落ち方ではなく、ザット落ちつつ若葉をつけるという不思議な技です。下を見ると古い葉がたくさん落ちていました。この木の横はほぼ毎日通りますが、葉の落ちる所はあまり見かけませんでした。来年はもっと気にしていようと思います。見上げると向こうの山の頂上にもクスノキの数本固まっているのが見えました。この気候が好きなのでしょう。私も南国の気候は好きです。そして夕べ、気配を感じ夜中庭に出て目の前に広がる田んぼを眺めていたら、ホタルが数匹舞っていました。

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