文旦(ブンタン)との出会いは小学校の4~5年生の頃、友達と下校中に道路脇の溝に片方の車輪が落ちたリヤカーをおじいさんが引っ張っていたのを後ろから押してあげたところ、お礼に貰ったのが「文旦」でした。リヤカーには「文旦」が山盛りに積まれていました。貰った時は「夏ミカン」と思っていましたが、家に持って帰り父に見ると「これは文旦だ、うまいぞ」と言うので早速食べました。おじいさんに親切にしてあげた気分の良さも有ったのでしょう。初めての「文旦」のおいしさと共に「ブンタン」と言う単語がインプットされました。


左:土佐文旦です。でもウチが買うのは地元の市場にでる文旦で、すごく安いです。大体50円センター/1個
右:文旦の剥き方をサイトで調べさっそく挑戦しました。この切り方は文旦しか出来ないようです
愛媛県人なので柑橘類を食べる機会はとても多く、子供の頃は温州みかんと、夏ミカンが柑橘の主流でした。戦後暫くして愛媛県はみかんの生育気候に合っているという事で、農業をされる方が揃って温州みかんを栽培するようになり、初めは供給バランスは取れていましたが、みかんの木が育って来て実成りが良くなるにつれ、豊作貧乏となったのです。それが昭和40年代後半から50年代にかけての事です。当時はオレンジ輸入自由化問題も有りダブルパンチで、みかん農家の方は死活問題だったようです。私はまだ子供でしたが、父親が話していた事を今でも覚えています。
「オレンジ自由化はみかん農家をダメにするが、西宇和のマアナみかんは品質も良く、オレンジが入って来ても平気見たいだ・・・・」 ?マアナ?と言う言葉を初めて知ったのはこの時でした。今でもマアナみかんは高級品です。「真穴みかん」で検索すると出て来ますよ。


左:今日のお昼は事務所の外で食べました。雲ひとつない空と海です。文旦がおいしい訳がわかりますね
右:我が家の定番お弁当。赤いウインナーと卵焼きは昭和の象徴ですよね。
高知に移住してびっくりしたのは文旦の安さとおいしさです。柑橘好きな私にとって文旦は高いもので、高級品の文旦を食べる位なら、夏ミカンかオレンジを食べた方がいいと思っていました。東京あたりでは1個200円~500円ですよね。因みに愛媛県ではあふれている伊予柑ですが、高知ではあまり出回っていません。それより文旦です。
市場に行くとビニール袋に3個~15個と言った感じで詰め込まれた文旦が無造作に置かれています。先週買った15個入りは1個40円以下でしたし、今日買った3個入りも1個50円でした。なので、ここぞとばかり買い占めてお世話になった人に送りまくっています。値段も安いし、運賃は「兎屋」価格で出すので負担は軽いです。それに何と言っても「うまい!」もちろん家では毎晩食後に文旦パーティーです。