大正町森林組合 集成材工場 2008

大正町森林組合 集成材工場のTさんに初めて出会ったのは2007年の春、3月26日年。長男と1957式でタンデムツーリングに出かけた四万十町(旧窪川町)の道の駅でした。1957式で道の駅に乗りつけ休んでいる私達の眼の先に大きな樽を発見したのです。「たる?」アイスクリームを食べながら見ていると、どうやらその樽はミニハウスになっている様子でした。(なるほど、林業の町だからあまった・・・・間伐材など・・・・を有効利用してるのね)フ~~~~~ン。見ると男性の方と女性の方が樽の前に机を出して、興味深げに樽の中を覗き込むお客さん達に何やら話しかけている様子です。どれ、私も野次馬になって見よう。興味のない長男に「ちょっと待っといて」と言い残しその樽に近づいて行きました。

丁度お客さんが途切れた時で、その男性の方と女性の方がおしゃべりをしている所に私が割り込んで行くと言うタイミングでした。「これなんですか?」私のぶっきらぼな質問に男性の方がいろいろ説明をしてくれます。一通り説明を受けた後で、今度は私から別の質問をして見ました。「林業大変でしょう」すると、その男性の方は面白い話を始めました。一応私も大学では林業科に籍を置き、不真面目な学生生活を送りつつも多少の林業の知識はあるので、その方の話が理解出来ると共に、この人えらい人なんだなぁと思ったのでした。とにかく林業不信の愚痴を言う事無く、いかに四万十町の林業が頑張っているかを、熱心に説明し、しかもそれについての事例をたくさん挙げられるのです。ツーリングがてらに来た先での事で、長男も向こうで待ってるので、その時はお互いに名刺を交換しただけでお別れしました。

それからしばらくお会いする機会はありませんでしたが、昨年11月20日に大正町森林組合を視察する集まりが有り、これは行かねばと勇んで参加した所、思ったとおりTさんが出て来られ、集成材の出来るまでを工場を回りながら説明して下さり、最後に集成材工場の事をお話しをして頂きました。春にお聞きした話も有りましたが、とにかく営業力が凄い。日本の林業は経営が成り立たないと言うのが相場で、林野庁ですらその主催する「緑のオーナー」制度に暗雲が漂っていると言った状況です。

林業を取り巻く環境が悪い中、長年赤字続きだったこの工場を任せられた時から頑張り続け、今では「浮上」していると言う事です。で、そのお話の中身ですが、トップ企業がやっているような手法と、中小企業の生き残り戦術、それに環境と地元を意識した理想のそれぞれを網羅し、すべて行って居ると言う所に凄味が有るのです。

やっぱりこの方えらい人だなぁ・・・・私が布団の中で想像するような事を実践されている・・・・私には出来ないなぁ・・・・・。でも、気になるし何か関わりたい。昭和57年春、私が紙業界に入っていなかったら高知県の営林署に初級職として採用が決まっていたのでなんだか因縁も感じるし、最近家内に言うのですが、もう一度職業を選ぶのだったら、造園職人か林業関係の山仕事がしたいぞと言っていたので、これを御縁にいろいろ教わろうと思っています。で、さっそくこの9日に遊びに行って来ました。Tさんには快く迎えて頂き、お昼まで御馳走になりました。そしてなんだか同じような空気のする人だなぁと・・・・。最もTさんの方が理想を実現していると言った場面で、私より格段素晴らしい人でしたが、こちらも頑張ろうと言う気持になりました。それにしても林業で未来に続く仕事を創って来られたと言う事が、すごい!この人これから注目されるだろうなぁ・・・・。