ゆうべの興奮が覚めないまま朝が来ました。やまねはまた冬眠したかしら?などと思いつつ何気なく窓を開けると富士山がきれいなシルエットを見せてくれていました。今日も天気は良いようです。オプションの朝のお散歩へ行こうと7時に外へ出ました。気温0度。ゆうべぱらぱらと雪が降ったようで所々白くなっています。レンジャーさんが雪の結晶を見てみましょうと虫眼鏡を貸して下さりどれどれと覗いてみるとお花のようなのとか星型とか6角形が見つかりました。霜柱を踏んだり松ぼっくりを拾ったりのんびり気持ちの良い朝です。「やまね学校」の授業もあと2つです。メインの授業は二つの種類のうち自分が受けたい物を選び参加します。私はやまねの「ハンモック巣」探し隊 に行きました。


「ハンモック巣」というのは先生が名付けたやまねが夏に子育てをする巣のことです。ドウダンツツジがテングス病という病気になると病気の部分の枝が異常にもさもさとなります。やまねはその部分を上手に利用し巣材に苔や木の皮を使ってみごとな巣を作るのです。冬の見通しのよい森でそれを探すのです。巣のあった場所や巣の大きさ等の記録も取ります。熊笹の茂る森に足を踏み入れるとそれまで冷たかった空気が暖かく感じられ気持ちも落ち着くような感覚がしました。それから「ハンモック巣」探しに夢中になり、あっという間に2時間経ってしまいました。結果はやまねの「ハンモック巣」1つ、ひめねずみの「ハンモック巣」7つ。ちなみにひめねずみもとてもかわいいねずみです。運良くやまねの巣が見つかりうれしかったです。最後は図工の授業をして「やまね学校」は終了です。


昼食後、閉校式がありました。どんな学校かと思いながらの参加でしたが行って本当によかったです。やまねを通して、森を守る事が人間にも良い結果をもたらすのだという事がよくわかったからです。先生のお話、参加されていた皆さんの環境に対する真剣な考えや、やまねの生態の知識の多さにも刺激を受けました。環境を守りたいと思った時、では自分に何が出来るのかを頭の片隅にいつも置いて行動しようと思いました。帰り道、私は違う授業だったので見られなかったアニマルパスウェイという動物専用の橋を見に行きました。

人間が作った道路によって分断された森をつなぐ動物にとっては大切な道です。アニマルパスウェイにはそこを通るであろう動物のことを考えた細やかで優しい工夫が一杯詰まっています。知らずに通るとただの標識が取り付けてある台に見えます。見ていたら優しい気持ちになりました。こような取り組みが日本中に拡がって動物との共生が出来ればよいと思いました。清里出発午後3時頃、高知自宅到着は日付が変わった午前1時11分。一人旅はこれにて終了となりました。