「出身県は?」と聞かれれば「愛媛県ですよ」と答えますし、「生まれはどこなんですか?」と聞かれたら「愛媛県の宇和島市と言う小さな町ですよ」と即答しますが、「実家はどちらですか?」と聞かれた場合は、問われた人との距離によって答えが違っています。私自身引っ越し回数も多いですが、実家移動?の回数も多いです。

実家引っ越しの場合のすべては、母親の思惑で移動していて、宇和島市で3回引っ越しをした後、松山市に引っ越しをし落ち着くはずだったのですが、私が学生の時に渋る父の尻をたたいて隣接している砥部町という所に引っ越してしまいました。その後父親が亡くなった後は、奈良県生駒市に家を求め数年を過ごした後、昨年生駒市を引き払って今は京都市にいます。しかし砥部の家はそのままなので、年の半分は愛媛県、半分は京都市という二重生活をしていて、私も仕事の都合などで砥部町に行ったり、生駒市に行ったりしていて、京都へはまだ行ってませんが、いずれ行く時があるでしょう。どうやら母親は京都を終の棲家にする気配です。で、この場合私の実家はどこになるのか?いつも悩んでいるのと、説明がややこしいので、冒頭の(問われた人との距離によって答えが違っています・・・・」となるのです。

で、昨日今日と母親が砥部町の方にいると言う事で行って参りました。この言い回し少し変だなと思う方もいるでしょう。「母親が砥部町の方にいると言う事で・・・・」なんだか他人事みたいでしょ。そうなんです、母親は電話が嫌いなので、家の電話はとっくに外していて、携帯電話も持ってはいますが、スイッチを入れるのは夕方19時から21時と決めていて、それ以外は連絡がつかないと言う事になっています。それに人にいろいろ頼むのが嫌いな性格なので、怪我をしようが病気になろうが自分からは絶対に連絡を取らない人で、過去何回もヤバイ状況が有ったにも関わらず、今でもそれを貫いていて、今回私が砥部町に来ている母親に会いに行ったのも、神戸のおばさんからの「お母さんガンと診断されたみたいよ」と言う連絡を貰い、昨日の日曜から合いに行ったと言う事です。さすがに告知された日は気が動転したようで、これからどうすべきか悩んだ上で、医療関係に縁のある奈良のおばさんに電話したところ、さっさと病院などの手配をして貰ったようで、そのおばさんの双子の姉妹にあたる、神戸のおばさんから私に連絡が来たようでした。

さて母親の性格をほとんど受け継いでいる私は、彼女が何を考えているかわかりますが、彼女の昔堅気的なケチと人に迷惑をかけたくないという気持から来る行動にはいささか困惑しています。今回も母親が言うには「本当は頼みたくなかったんだけど」とか「一人で手術を済ませようと思ったのよ」とか「あんたに(私の事)連絡しようとはこれっぽっちも思わなかった」とか聞かされると、この先死ぬまでこの調子で行くだろうと改めて自覚させられ、長男の立場上知らなかったでは済まないので、今後は神戸と奈良のおばさんと連絡を密に取りながら、注意せねばと思ったものです。(ウ~ンこれは彼女のペースだ)ガンについてはさすがに一晩いろいろ悩んだようで、私が会いに行くと、死ぬかも知れないからと言いながら、死んだ後の始末についてあれこれ確認を始めました。死んだ後の話は私達一家にとっては日常の話なので、その事については別に驚きはしませんが、「ガン」を告知されながらも、いつもの調子で立ち直って行くのを見ると、頼もしくも思いました。