青ねずみのデビューは2006年6月初めでした。
色の商売をしていると色差による言い訳が多くなると言うのは私の実感です。色が難しいのは紙を扱っている方ならよくわかっている事だと思いますし、私もそうでした。実際色を安定させる為には、さまざまな薬品や、考え方があり、それらを実行する為の、道具、機械、装置が有りますが、いくら理想に近づけようと思っていても、未だそれが実現出来たと言う話を聞いた事はありません。もちろん企業がお金と労力を掛けて色の扱いを容易にしている事は有りますし、その場合かなりの精度で色の安定性向上が計られていますが、色の性質が物理的に変わらない限り、少なくとも紙の世界で色を扱う事の難しさは、この先も続く事でしょう。・・・・・と気が付いたら、やっぱり言い訳になっていました。(これ言わないと、この先の話に行けないものですから・・・・)

今回、売り切れ品をはじめ沢山のカラー紙バンドを製造しました。しかも今回は紙にちょっと仕掛けを施したりしてるので、色の再現性に疑問があったのですが、それもこれも紙の(色の再現性も含む)性能をを高める為の一環でした事で、ここは我慢と思いGOサインを出し、今回の原紙製造に入りました。色の場合、使う顔料、染料によって再現しやすさに違いがあります。今回もその傾向は出ていて、「くろ」 「こん」 はほとんど違いが有りませんでしたが、「あい」 は思ったより明るくなりました。前回失敗した「ちょこ」は(前回はチョコレートの色が出ずに仕上がったので、「こげ茶」として発売した事はご存じですよね)ちゃんとチョコレート色になっていたので安心です。「ねず茶」も明るくなりましたが、許容範囲でOKだと思いました。
今回の「青ねずみ」ですが、実は原紙を作る時に、一番はじめに(2005年秋に提出)兎屋が製紙メーカーに出した希望色のサンプルと比べる事になりました。実は2006年春に仕上がった時、私の思ったような色ではなかったのですが、それはそれで良い色だったのでこれを「青ねずみ」として販売して行こうと決めたいきさつがあったのです。しかし今回昔私が出した希望サンプルを出された時、「どうしよか?」と悩んだのですが、ここはお客さんには悪いけど、私が欲しかった色に近づきたいと言う誘惑に負けてしまいました。なので、今日から(突然)販売開始する「青ねずみ」はかなり印象の違った紙バンドとなっています。今回も別に新色三つ準備していますが、ある意味これも新色のようです。どうかそのあたりをご留意の上、青ねずみをお使いいただけますようお願い致します。
2021年11月26日のブログでも青ねずみ色の事に触れています。