四万十カヌー 2007

大体高知にいる時は暇な時間が多いです。年に数回の出張と紙バンド製造の前後で急に忙しくなりますが、別に高知に居なけりゃならない仕事ではないので、マイペースでホームページ更新や雑用などをこなしています。子供の成育環境を求めて高知県へ移住したので、子供が育てばどうなることやら・・・・・。そのまま高知県に住みつくも良し、またどこかへ引っ越すのも良しとしています。まぁジプシーみたいな人生だと思っていて、実際学生時代ある友人が、私の生活(友人宅を泊り歩いていたり、4年生の時は住所不定になっていたので)を見てつけたあだ名が「ジプシー佐野」という何とも力の抜ける名前でした。特に嫌ではありませんでしたが、何となくその後の人生を見越していたような気もしています。

四万十市川登地区、右手奥には四万十川が流れています。

そのようなジプシーは他にもたくさんいて、私が住む黒潮町の隣の四万十市にも関西方面を始め、全国から移住者が集まっています。黒潮町の場合、移住者はサーファーがらみの人が多いのが特徴ですが、四万十市の場合はカヌー関係の人も多く移住しています。その中で私が見つけた人が、(アーク)というカヌーツアーを企画する個人ショップをしている佐野さんです。そうです!この人も「ジプシー佐野」というわけで、全国はおろかアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアをオートバイでツーリングしていたような人です。アウトドアスポーツやキャンプなど、自然と過ごすのが好きなアークの佐野さんは、信州に行こうか?高知に行こうかと迷った末に、大好きなカヌーと過ごせる四万十川のほとりに住み着いて数年になると言う事です。

前回合ったのは7月初め、これから夏本番の稼ぎ時と言う時でした。で、今年の長くて暑い夏が一段落した頃を見計らって、昨日久しぶりに遊びに行って来ました。目的が有るから会うと言う訳ではないのですが、実は私の古い友人から、四万十川で癒されたいという要望があったので、「お願いしますよ」という事で会いに行きました。個人でショップをやってると言っても、私から見ると商売っ気はまるでなし。いつも(このひと大丈夫かなァ・・・・・)と思いながら、長時間ベランダでおしゃべりをしています。イケイケの私(佐野)と、マイペースなアークの佐野さんですが、過程や手法は違っても求めて居る事は同じで、いろいろ話をしながら、私の紙バンドの仕事と、自然を相手にするアーク佐野さんの仕事とのいかに共通点が多いのか!と、毎回納得の連続です。

この日もカヌーのツアーショップを続けていくにあたりどうするの?から始まって、最近のカヌー等、自然環境を取り巻く問題を話してみたり、それを克服するアイデアを出し合ったりと、半分夢みたいな事が話題のほとんどですが、頭を使いながら互いにやり取りをしていると、思わぬヒントが浮かんだり、見えなかった事がわかったりと、刺激的です。それに幾度もあって話していると、お互いにわかりあって行けるのも魅力的です。基本ははやりお互いにちゃんとしていなければなりませんし、ダラダラ、ズルズルではせっかくの縁も消えてしまいますしね。

ほのぼのとしたアーク佐野さんちからの帰り道、カーラジオのNHKから聞こえてきたのは、格差社会の現実という番組。特集の番組で15日から19日までの毎日17:00からの放送だそうですが、昨日は1回目という事で、特にショッキングな現実についてでした。ラジオを聴きながら日本はこんなに希望のない国になっていたのかと、今更ながら思わされ、さっきまでの楽しい夢の話とのギャップは何なのか?と考えさせられました。冷や水を浴びせられたような気分で家に帰った所、たまたま家内も同じラジオ番組を聞いていたようで、夜遅くまで二人で話し合っていました。四万十川とワーキングプア。どうしても重ならない風景です。