新色あります 2007

兎屋は色で商売をさせて頂いている面もありますので色のこだわりは当然で、こだわるが故にどうしようもないジレンマに陥る事が多々あります。兎屋を開業して今年で5年ですが、資金がゼロの所からスタートするに於いて、まず大きな壁となったのが仕入であります。いろいろ金策に走りどうにか集めた金でまず買うは原紙です。それも普通に買うのではとても足りませんし、色数も1色買えるかどうかの所でした。そこを何とか工夫しスタートしたのが「赤ぶどう」を初めとした5色のオリジナルカラー紙バンドでした。2002年の事でした。

当初は静岡県富士市の紙バンド屋さんから紙バンドを買うと言う、いわゆる仕入れ販売からのスタートでしたが、それじゃあつまらないという事でオリジナルカラー紙バンドにこだわったのが「兎屋」でした。

自分で原紙を手当てし、しかもオリジナルで作って行くという事は、リスクが付きまといます。ロスも出ますしロット毎の色違いも有ります。以前勤めていた製紙会社は、漫画雑誌の紙(業界用語では 特更紙とか出版更紙と言います)を主に抄いており、数種類のカラー更紙が有りましたが、これが実に色ブレする紙で、古紙100%で抄いているため、色を数値管理していて誤りが無くても古紙の元色が変わってくるので工場も、営業も気が休まらないという毎日でした。その為、ロットで色が変わるのは当たり前で、時間毎に色が変わって来ると言う様な紙を販売していました。

大きなマシンでカラーの原紙を抄いていてもそうですから、手芸用紙バンドの発注量で沢山の色を夫々抄くという事は、まず製紙会社さんは嫌がる事です。仮に有る程度ロットをまとめて見ても、かなり高価な紙を買わなければ成らないという事になります。ロス、色違い、価格などリスクを負っても商売が成り立つという事は、簡単に言えばインターネットのお陰では有りますが、兎屋の関わってくださる方々のお力が無くてはインターネットが有ってもまず無理だと断言出来ます。

注)この記事は2007年5月24日(旧)兎屋ブログからの転載です