幡多農業高校馬術部 2007

移住前に私の心の中で長男の進学先を高知県立幡多農業高等学校の園芸システム科に決めていましたし、部活も馬術部に決めていました。私が勝手に決めていた事ですが、馬術部はおまけとしても、幡多農業高等学校へ進学する事については充分考え、家内や長男とも何回と無く話し合って来た結果で、その事はこの日記の他の箇所に書いているので省きます。

一年生は当然下働き専門です。一所懸命に勤めて、馬や先生や先輩の動きに目を光らせ、次の、或いはその次の場面を予想し対応出来るようになって貰いたいものです。

さて馬術部です。高校の馬術部は数が少なく高知県では県下唯一です。どうせなら人と違った世界を覗いて欲しいという(親心)で長男には「幡多農には珍しい馬術部があるぞ、おまえ入ってみんか?」位の事は話していました。その為か、中学3年の秋の体験入学時に幡多農へ行った時も馬術部が気になったようですが、その日は厩舎が判らず帰って来ました。そしてめでたく幡多農業高校システム園芸科へ入学して3日目に彼は体験入部と言う事で馬術部へ(体験だからということで)入った様でした。

写真は幡多郡三原村で開催の あげ馬 です。幡多農高馬術部全面協力で開催されていますが、当然各方面の方々のご尽力があってこその行事です。

なんとなく入ったつもりの彼でしたが、馬術部はとても厳しく、朝は交代で厩舎に7:00には入って馬の世話ですし、遅い番でも8:00です。帰りは反対に遅く20:00近くまで世話をしています。入った時からそんな感じだったので、ビックリした長男は家に帰ると「辞める」「明日は辞める」の連発でしたが、私が「辞めて来たのか?」と聞くと「まだ言ってない」とか「先生が居なかった」等とグズグズです。私も2~3回は馬術部を辞めずにガンバレと言いましたが、あれほど好きだった釣り&シカケ漁が全く出来なくなった様子を見るとかわいそうになり、「自分で決めな、辞めてもええぞ」「一人釣り部でもええよ」と言って馬術部の事には関わらない様にしていました。長男としては辞めたい気持ちは強かったのですが、一緒に入った同級生達が誰も辞める風ではなく自分だけ辞めるのがかっこ悪いと思ったのか、或いは自分の意志を先生に伝える度胸が無いのか?そのままズルズルと馬術部に通っていました。

誇らしげな先輩女性騎手2名(国体強化選手)。かっこいいです。一年生も来年は出場できるかな?

ところが長男の変化はスグに現れました。先ず友達が出来たという事です。馬術部の生徒は長男以外全員アグリサイエンス科(農業と畜産専門科)の生徒で、長男が通う園芸システム科(花卉や作物の栽培専門科)の生徒は他に誰も居ません、何故だかわかりませんが今までずっとそうだったようです。教室の友達とも少しづつ話をしているようですが、やはり苦労を共にする仲間は特別のようです。そして彼が私達に言った言葉は「幡多農には二つの世界が有る、普通の学校の世界と、馬術部の世界だ」上手い言い方をすると思いましたが、この言葉はそのまま大人の世界に通じています。

現状だけで生きるのではなく、もう一つ違った環境に自分を置く事は私の好きな事で、大いに賛成する言葉でも有りました。それに一週間もすると「辞める」と全く言わなくなり、その代わり帰宅後毎晩馬の話と馬術部の話ばかりするようになりました。土日も祝日も登校で、早番7:00遅番8:00は替わらず、昼間の2時間ほどの休憩後、また午後から馬の世話と言う毎日が馬まみれの日々を入学以来続けています。(私には無理かも)

環境の良い所で馬術部に入りいっしょに苦労する仲間を得た幸せを何十年か後にきっと噛みしめるでしょう。

何と無く入った馬術部、辞めづらい環境が現れ迷っていた彼ですが、一つ峠を越すと体も慣れ、友人も出来、どうやら付いて行けそうな雰囲気になっています。毎晩ヘトヘトで帰宅し風呂に入ってそのまま寝てしまう毎日になりましたが、暫くはこのままで行こうと思っています。馬が好きだけではない、なにか他の力があるのかもしれません?私も不思議な気持ちで眺めています。

注)この記事は2007年5月1日(旧)兎屋ブログからの転載です