四万十川には負けません。 2007

昔宇和島市出身の友人が新潟県佐渡島の女性と結婚した時の披露宴に参加した時の事です。友人のお父さんが「・・・・日本一の田舎の宇和島と佐渡島の二人ですが・・・・」とご挨拶をなさっていました。それを聞いて上手い表現をするものだと感心すると同時に、私の生まれ故郷でもある宇和島市は、日本一かどうかは知りませんが不便な土地である事は認めていました。しかし、私達一家が移住して来た高知県幡多郡は四国の西南部に位置し、東京から一番遠い日本と言う人も居るぐらいの更に交通の便が悪い所です。

最近宇和島市にあたらしく友達が出来つつあって、時々宇和島へ行くのですが、幡多郡に比べれば全然都会ですし、仕事で四国中央市へ行ったり、松山の実家に行ったりもしますが、とても都会に思えます。以前神奈川に住んでいた時は、松山市でさえ、やっぱり田舎だなぁと思っていたので、都会=田舎の逆転した今、感慨深いものが有ります。

その日本一の田舎と言える幡多郡へは都会から移住する人が多い地域でも有ります。松山市や四国中央市は産業が盛んなので仕事上引っ越して来る人は居ますが、移住と言う方法で越して来る人はまれです。昨今よく聞かれる移住と言う言葉響きには仕事でというより、生き方の・・・とか、人生の・・・等の枕言葉が付き、仕事や経済がらみからは最も遠い所の動機が作用している事は皆さんも同じ考えだと思います。私も経済を優先して考えれば四国中央市への移住が普通だと思っていました。

さて、都会人から見てここ幡多郡で一番有名な物、それは「四万十川」と言えるでしょう。鯨やカツオ、はたまたカワウソなどキーワードは有りますが、やっぱり四万十川がダントツのネームを発信しているでしょう。その証拠にこの地方には「四万十市」と「四万十町」という同じ名前を持った町があり、ややこしい事甚だしいです。

この二つの町には名前の通り全国的に有名な四万十川が流れていて平成大合併の時に、少しでも地域活性化の助けになればと「四万十」を市町名にした気持ちはわかります。他県人の方が高知県と言えばすぐに「坂本龍馬と四万十川とカツオのタタキ」を思い浮かべる位ですから。しかし、この二つの四万十市町に囲まれたわが町は四万十川とは縁のない町です。地図で見ると四万十川は大きく湾曲して流れているのがわかりますし、その湾曲した真ん中にわが町が位置しているのです。しかし四万十川に近いけれど恩恵の少ないわが町にも大きな水の流れがあります。その為平成の大合併で生まれたわが町も、四万十市町と同じ発想で付けられた名前があります。四万十川にも負けないその名前は「黒潮町」と言います。よろしく・・・て ええんかなぁ「黒潮海流」独り占めしたようで気が引けます(笑)

注)この記事は2007年4月23日(旧)兎屋ブログからの転載です