映画 大番 2007

映画「大番/千葉泰樹監督:獅子文六の小説を映画化 1957年~58年東宝シリーズ4作モノクロ
こちらのチャンネルで今月シリーズをしていてあと2回見るチャンスがあります。痛快娯楽映画です。私の故郷、宇和島が設定されているからと言う事で10年前に見たのが発端ですが、映画として佳作だと思います。当時の雰囲気が興味深く再現されています。4作シリーズで話は長いですが、テンポ良く進み飽きさせません。原作が秀作だという事と、映画作りが丁寧な証拠だと思います。機会があれば是非御覧下さい。(今回逃しても、時々放送しているようです)

主演:加東大介さんと淡島千景さん

単に喜劇的におもしろいという事だけでは無く、設定されている時代の雰囲気が丁寧に再現されていると思います。例えば第一作の「青春編」は戦前昭和1ケタ時代が舞台となっていて、映画が製作公開されたのは1957年で当時すでに30年前です。

ところが映画を見てると1957年当時の現代映画の錯覚を受けますが、公開時すでに昔話の所から始まっているのです。そしてその当時の時代の気分がうまく表現されている箇所が多いのと、田舎の場面で四国宇和島の方言などがこれも自然に表現されています。私がこの映画「大番」を見たのは今から10年前の衛星放送が初めてで、その時撮ったビデオを数回見て細かいところも観察し、昨日あらためて4作通しで鑑賞し新しい発見も有りますし、映画作りの丁寧さにあらためて驚かされてしまいます。それに宇和島の場面の人たちを見てると、本当の宇和島人かと錯覚するぐらいです。方言指導と言うより、役者魂が感じられます。

獅子文六氏について → http://www.dokidoki.ne.jp/home2/doinaka/kenmin/nanyo/index.html

注)この記事は2007年3月11日(旧)兎屋ブログからの転載です