移住の い1 2007

私達兎屋一家は2006年夏高知県へ移住したので、その体験を踏まえ移住について書こうと思っていました。

【移住】・・・ 現代日本ではあまりなじみのない世界のように見えますが、実は近年他の土地へ移住する人が多くなっています。移住という言葉には大げさな雰囲気があるので、試しに「移住」を言葉検索して見ると・・・・。

【移住】
(1)住む所を移すこと。
(2)開拓・植民などのために、国内の他の地あるいは国外の地に移り住むこと。「ブラジルに―する」
となっていました。

(1)については字のまま、おもしろくもなんともありません。移住にはいろいろな事情が重なっている場合が多く正面から捉えると重くなってしまうので、簡単に解説したのでしょうか?間違っていないので(字の意味的に)かえって冷たい印象があります。

(2)については戦前から戦後に掛けて日本人が海外に出て行った歴史や、維新後からの北海道を初めとした日本各地の開拓移住が有ります。どれも農業を移植の柱としており、仕事が軌道に乗るまでの苦しい記憶が有ります。

どうやら私が昨年行った移住は本来の意味と微妙に違っているようです。しかし、私達のような移住が多くなっているのも事実で、本来の意味での移住は少なくなっていると思います。むしろこれからの移住とは生きる為にしなければならないと言うより、自分や家族の為に移住するという精神的な場面が多くなると思っています。社会が変化し言葉の意味も自然に変わって行く顕著な一例が、この移住という言葉にも有ると思いました。

日本はこの40年の間に大きく社会構造が変わり、日本歴史のほとんどの期間(少なくとも米作伝来以後2000年はそうだったと言えます)多数を占めていた職種としての農家数が激減し、家族の有り方や仕事の方法が変わって来ました。農家故に土地から離れる機会が少なかった日本人が、就職や転勤で引越しをする場面が多くなって来たのもこの40年の事です。住んでいる所から仕事の有る場所への移動、この40年間日本で多く行われた事柄です。

移住への取り組みが熱心な黒潮町です。

長い歴史うちのたった40年の事ですが、転勤と言う言葉が普通に使われると同じで、移住と言う言葉もいつの間にか意味が変わってはいるものの、使う側から見ればなんの疑問もなく今日まで使われて来ました。そして現代日本でも新しい社会の到来と共に新しい移動が行われていて、その一つに移住が有ると言えます。

そうした考え方に共鳴したり、或いは自分らしい生き方を模索しているうちに結果移住していたりと、動機は様々ですが、流れとしては兎屋一家も同じ流れに有ったと思います。個々の理由によって生き方(場所)を決める事が出来るのが現代で、とても自由を感じていますが、同時に自己責任も強く意識しています。これから移住される方は、(もちろん転勤などでの移住もあるでしょうが)特に今の環境を変えて新しい生活の為に移住されるなら方なら尚の事、どうか自分の責任に於いて行動される事をお奨めします。一見厳しい言い方かも知れませんが、そのように行動される事で壁にぶつかったりした時に、新しい価値観が閃いて来る物です。人に頼ってばかりでは一生幸せは来ないと信じ、ぶつかって行ってください。必ず次の世界への入り口が待っていますよ。・・・・と言う事で、これから移住について時々書いて参りたいと思います。移住を考えられている方の参考になればと思っています。

移住はあくまで自分の責任に於いて取り組まれる事が前提です。家探しも、仕事さがしも、協力してくださる方への対応も丁寧に。打ち合わせは文にして相手の方へ説明をしながらコピーをお渡ししましょう。とにかくこれでもか!と心を砕いてください。そうすれば相手の方に気持ちが通じ必ず道は開けると信じています。

注)この記事は2007年1月24日(旧)兎屋ブログからの転載です