宇和島市にて その3 2007

宇和島は海の町なので魚料理がメインです。

刺身や練り物は当然いろいろあります。いろいろと言うのは、本当にいろいろな魚が水揚げされるという事です。マグロやカツオはあまり揚がりませんし北方系の魚も当然見ませんが、暖かな黒潮が流れ込む豊後水道のお陰で、鯛やハマチ、アジ、サバ、ヒラメ、等白身や青味の魚が数多く揚がっています。車で2時間ほどの松山市を中心とした中予地区や、更に東に位置する東予地区も瀬戸内海を臨んだ地形で、魚もおいしいのですが、やはり宇和海(豊後水道)の魚の方がポイントは高く、皆の認めるところです。

ふくめん:似たような料理って他に有るかな?

当然刺身は旨いし、練り物の中でも蒲鉾は日本一だと思っています(小田原の方ごめんなさい)それに、最近有名になっている ジャコ天(さつま揚げみたいなもの)も素朴で人気があります。

いずれそのような食べ物はご案内するとして、今回は宇和島料理の中から一つご紹介します(あぁ前置きが長いのぅ・・・・)写真は「ふくめん」と言います。きれいに飾られています。オレンジはみかんの皮、ピンクとシロはでんぶ、みどりはネギです。その下の本体は、初めての方にはきっと予想の付かない食べ物です。このタイミングで「あぁ 判った」と言う人は少ないと思います。「ふくめん」は宇和島料理では欠かせない料理です。欠かせない料理としては他に「ふかのさらし」があります。どちらもご馳走で普段は食べません。お祭りやお正月の時にお目に掛かれます。写真のように出てくる場合もありますが、やはり皿鉢料理の一つとして大皿で景気よく出て来て皆で小皿に取って食べます。食べる前に本体ごとかき混ぜて頂きます。「ふくめん」の正体は一番下に書いて置きます。きっと想像とは違ってるでしょう。

子供の頃から好きでした。 大番

次はお菓子です。名前は「大番」。「大番」と聞いて、小説家/獅子文六(ししぶんろく)が頭に浮かんだ人はご年配の方ですね。映画化もされて主演は加東大介、共演の女優は、淡島千景、原節子という布陣です。

宇和島銘菓には他に「蜜饅頭」と「唐饅」と言った所で、中でも私の好物がこの「大番」、ゆず餡の入ったやわらかい食感のカステラお菓子です。コレを事務所のお土産にし、さて高知へ帰ろうと内陸の田園地帯を抜けて四万十川にぶつかり、そのまま下流に向かうルートを取りました。このルートは四国ではめずらしく広々とした農村を突っ切る形になっています。広々とした畑や田んぼは信州や東北でこそ当たり前の景色ですが、四国ではあまり見る景色では有りません。40分ほど走ると高知県に入り四万十川に出ます。そこから狭い国道を南下していくのですが、実はコレが意外に時間が掛かるのです。いかにも四国の山道と言った道を辿って30分走るとカヌーステーションの「かわらっこ」という施設が有ります。シーズンの頃は全国から四万十川に憧れてたくさんの方がやって来ますが、大半の方は「かわらっこ」でカヌー体験をされるようです。

この「かわらっこ」の前で椿事が起きたのです。人気の無い駐車場に1台のハーレーダビットソンが停まっているのを100mほど前から確認していました。車で近づいて行きながら、(もしかして)と注意していました。そのハーレーの横を過ぎながらそのオートバイが1ヶ月ほど前、あるサイトで知り合った方の物だとわかりました。数回メールのやり取りをしただけで、まだ会った事はありません。すぐに車を停め近くにいた人に声を掛けながら近づいて行きました。相手の方もすぐに了解下さり、お互い不思議な縁を確かめていました。しかもその方の仲間の2名の方も爆音と共にやって来てさっそくご挨拶をさせて頂きました。

わたしの57年式と同じ形式のハーレーはなかなか見ることは有りませんが、その方の乗っているハーレーダビットソンも実は私と同じ形式のものだったのです。基本的には一人で自由に走るのが好きなのですが、やはり同じ趣味の人との交流も楽しみたいと思っています。今回偶然にであった事で何か縁を感じる事になりました。このご縁を大切にしながら四国西南部に根ざして行こうと思いました。

「ふくめん」の本体の食材:糸こんにゃくあっさりとした食感と薬味が食欲をそそります。健康食としても申し分ないでしょう。

注)この記事は2007年1月22日(旧)兎屋ブログからの転載です