おとなくあやしきもの 2006

夕方事務所からそれを見た時、何年振りかで驚き騒ぎ、「カメラ!カメラ!」と言いながら外に飛び出しました。秋の夕暮れは日が落ちるのが早く、西の空にたなびく雲は灰色になっていましたし、その空も雲の色より幾分明るい灰色で一日を終えようとしてました。その灰色の空に、オレンジ色の飛行機雲がまっすぐ西の方に落ちて行きます。

実際は写真より輝いていました。隕石落下のようです。

写真で見るより輝いていました。隕石が落ちて行くようにも見えました。 静かな秋の夕暮れに、オレンジ色に輝く飛行機雲が、音も無く落ちていくのを(実際には西の方に飛び去っているのですが)見ると、不気味というか、怪しいというか。しかし怪しさゆえにより美しく見えました。

ここ高知県幡多郡は飛行機雲をたくさん見る事が出来ます。空に飛行機が飛んでいても静かで、ゆっくりと視界から消えて行きます。飛行機雲が見えない夜は、飛行機の点滅がきらめきながら、やはり静かに動いていきます。信じられないかも知れませんが、飛行機が飛んでいない時の方が少なく、まるで飛行機の国道のようです。こちらの人には当たり前の事のようですが、星空の美しいのと空に飛行機が高く、静かに、沢山飛んでいるのを見るのはおもしろいものです。

因みに、以前兎屋を開いていた神奈川県藤沢市は、毎日海の方から米軍の艦載機が、低く、うるさく、沢山飛んで来ていて、話しもままならず参っていました。

注)この記事は2006年11月21日(旧)兎屋ブログからの転載です。