夜道、あなたならどうします? 2006

出張でほぼ一週間家を空けて居ました。一週間と言え、やはり家とはいいもので、玄関に入る時「ホッ」としました。で、家内からおもしろい話がありました。

兎屋一家の住んでいる所は、町外れの国道からまっすぐ山の方に1km強入った所の戸数50戸程の集落です。夜に成ると真っ暗になります。この真っ暗という表現は誇張でも何でもありません。ここ(高知県幡多郡黒潮町)に来るまでほぼ町中で生活してた人間なので、夜が暗いと思った事は有りません。都会と言わず現在日本の夜は明るいのです。こちらに来た頃、集落内の道を歩こうと思い、外に出て数歩・・・!真っ暗な所に出て初めて体験しました。・・・・夜の暗さを

部落の方は、夜の外出時には必ず懐中電灯を持っています。始めは「大げさだなぁ」と思って見ていましたが、懐中電灯の無い夜の道行きは、へっぴり腰で歩く羽目になるという事でした。それ以来、兎屋一家も夜には必ず懐中電灯を携えています。そういう環境に居るので、満月の明るさが美しいと言うより、有り難かったりします。

さて、国道から折れて自宅集落までの暗い夜道を一人で自転車で走ってる中3男子が居ました。塾帰りで時刻は19:00頃です。都会ならまだ騒がしい時刻ですし忙しい会社ならバリバリ仕事の時間帯ですが、ここは真っ暗な山際の一本道です。とは言うものの移住して3ヶ月も経てば慣れてるので、暗い道でもライトを点けた自転車をグングン走らせていました。と、前に無灯で走る一台の自転車が現れました。乗ってるのは60代?のおじさんです。酔っ払ってるのか、ゆっくりとしたペースです。すぐにそのおじさんに追い付いた中3男子は、ちょっと迷いましたが、無灯で走るおじさんが危ないと思い、ペースを落とし、おじさんの自転車の後に着け、ライトで先を照らしながら走ることにしました。

約1kmをその状態で走った二人は、いつもの場所に自転車を停めます。(実はこの2人は、川の土手に自転車を置き、そこから家まで歩いているのです)で、自転車を置いたおじさんは、感激してしまい、中3男子を褒めながら一緒に坂を上って来ました。ちょうど家内も車で家に着いた所だったので、感激したおじさんは、酔いも手伝ってそのまま真っ暗な庭先で、家内と中3男子と、小5男子相手に大きな声で、「照らしてもらって助かった」から始まり、いろいろおしゃべりをして帰って行きました。中3男子はずうっと苦笑いで突っ立っていたそうです。

この話を聞いた時は、自分の子ながら(ええ話やなぁ)と思い、皆でニコニコしてましたが、それから数日間思い出して考える事があります。それはズバリ。自分だったらどうしただろうか?甘く考えても7割方、おじさん自転車を追い抜いて、さっさと帰っただろうと思うからです。親としてうれしい反面、同じ年の頃に同じように出来なかっただろうと思うと、複雑です。子供にまた教えられたようです。

注)この記事は2006年11月1日(旧)兎屋ブログからの転載です。