「深夜バス」と言うより「夜行バス」と言うのでしょうか?でも私はあえて「深夜バス」と呼びたい。「夜行バス」と言うとなんだか夜の高速をすべるように走り去るかっこいいイメージが有る一方で「深夜バス」と言えば。人生のアレコレを背中に負った有象無象を載せて走る・・・・と言うイメージが有り、私にピッタリだと思うからです。
今回も高知県幡多郡黒潮町に行き2日で予定していた仕事を頑張って1日で終え、この分じゃ「深夜バス」で帰れると考え、久々にトライしました。過去3回(四国中央市→東京2回 & 東京→神戸1回)深夜バスに乗った事が有り、バスから降りる時いつも(もう絶対に深夜バスには乗らん!)と心に誓いながらも、時間の節約と、何より値段が安いという理由で苦しみを忘れた頃に乗っています。

黒潮町のJR入野駅からの特急「くろしお」を利用して神奈川県まで帰るには、遅くとも15:16に乗らねばならず、寝台列車を使用場合でも17:51に乗らなければなりません。2日分を1日で終えるを計算するとそんな時間に汽車に乗るのは無理なので、20:40中村駅発の「深夜バス」に決めました。但しこのバス東京までは行かず、京都駅終着となっている所が渋いでしょ・・・・。
中村駅から途中いくつかの停留所でお客さんを拾いながらとはいいながら、平日の深夜バスはガラガラで後から乗り込むお客さんは3人、私を入れて合計11人が客の全員です。激しくなった風雨の中、国道56号のくねくね道とアップ、ダウンの連続はいつもと違う「深夜バス」の乗り心地です。
「!ヤバイ」だんだん気分が悪くなってきます。考えてみると、過去3回の「深夜バス」はどれもほとんど高速道路走行だったと言う事に気が付きました。しかし今回、中村(宿毛駅→JR京都駅)から乗り込んだ「深夜バス」は高速道路のある高知県須崎市まで国道56号の難路です。乗用車ならそれでも昔に比べ整備された国道なのであまり影響は無いでしょうが、「深夜バス」は車高が高く座席も上に作られており、道路の影響をモロに受ける構造となっています。まして私の席は一番後ろの席です・・・・座席に備え付けのビニール袋が気になり始め、寝てもダメ、起きてもダメという状態を2時間過ごし、やっとバスは高速に入ってくれました。すると気分が悪いのも薄らいでホッとしたのでした。(助かった)
此度の「深夜バス」も手ごわいです。で、気になる事が今回も見受けられます。
なぜ中列前から5列目のあなたとその隣の友達はスグに寝れるのか?なぜ左側前から4列目のお兄さんは暗い中、片手で文庫本を読む事が出来るのか?なぜわたしの隣の方は 微動だにしないで熟睡出来るのか?
私には無理無理無理・・・・。絶対に無理!予期せぬ振動と2時間戦った後は、いよいよ真打登場です。バス内に立ち込める独特な匂いと、不眠との戦い。それに「深夜バス」イメージから発生する(マイナス思考)このマイナス思考が曲者で、考えても考えても収まらず。だんだん気分も落ち込んで行き、何でオレはこんな所にいるんだろうなんて考え始めます。頭の中はそういうマイナス思考の渦となっていて、血液の循環も促進され、頭に熱を持って来るので更に眠れず、また他のマイナス思考が忍び寄って来ると言う事を延々続けています。身体は疲れているのにやけに頭ははっきりしていて、それでも仕事のアイデアとか楽しい事などが浮かんでくればそれはそれで良いのですが、マイナス思考となるとあれが心配、これが心配となり、とうとういつ死ぬのかなぁなんて・・・・・・馬鹿みたい。(とはわかっていますけどね)
今回も私一人寝そびれたと思って2時間ほど悶々としていましたが、いつしか眠りについていた様で、気が付いたらバスは淡路島のSAに停車して時間調整をしていました。 4:20 ・・・・4時間は寝れたかな?その後本州に渡り、阪神高速を経て、大阪難波、梅田を経由しJR京都駅に到着したのが7:00前、皮肉な事に京都駅到着10分前が一番眠たい時でした。
いつの日か「深夜バス」に乗ってもすぐに熟睡出来、気が付いたら目的地(なんだあっと言う間ジャン。夜行バスって安くて便利だなぁ)なんて言ってみたいです。
注)この記事は2006年6月10日(旧)兎屋ブログからの転載です。