ツーリングへ行こう③一生モノが欲しい 2006

藤沢市から東京に出るのにはいろいろなルートが考えられます。今回は二人乗り(タンデム)高速道路走行を楽しむつもりなので、藤沢から1国~横浜新道で横浜まで行き、そこから首都高速に入ります。日本でも去年から一部を除いて高速道路の二人乗りが解禁となりました。当初、道のきれいな湾岸ルートを考えていましたが、「!っ」と思い直し、路面状態の悪い(日本で一番最初に開通した首都高速1号線)ルートにしました。何故かというと、リジットフレームの醍醐味を息子に味わってもらいたかったからです。

リジットフレームはショックアブソーバーやバネが無く、自転車で二人乗りをしてギャップに乗り上げたときに「グキッ」っと突き上げるような感触があります。その振動は速度を上げればあげるほど強くなるので、それなりに体をあわせて運転しなければなりません。日本車のようにアクセルひねったら速く走れるぞ!と言うわけには行きません。

最近の日本車リッターバイク(750ccクラスから1000ccオーバークラス)なら軽く200km/h以上出ますし、スピードが上がるにつれて車体が安定するほどですしよく止まる。特にカウリング(風防)で被われているレーサーレプリカタイプはその傾向が顕著です。しかしこの”1957式”は今まで最高で160km/hしか出したことがありません。浜松の東名高速で仲間の旧車ハーレーと競争になった時に出したのですが、エンジンが壊れる~~~と頭によぎったのと、直線道路で”1957式”の跳ねがひどくなったので、アクセルを戻してしまいました。先輩の”1955式”のフレームは私と同じリジットですが、フロントはテレスコタイプの油圧式のショックアブソーバーが入ってるので、路面のギャップをフロントで受けながらあっという間に見えなくなりました。私のフロントはただのコイルバネなのでとても怖くてそれ以上スピードを上げることが出来ませんでした。しかし十分200km/h以上の・・・・いやそれ以上の体感スピードを味わうことが出来るオートバイです。

天気の良い日、60km/h巡航でカーブの続く田舎道なんかを走ると、舗装路面のギャップにあわせて車体が跳ね始め、それにつられて私も運転しながら踊りだしたくなるような気分にさせてくれるオートバイです。排気音も腹のそこから沸きあがってくるような音で、何よりほかのバイクとの違いはその振動です。遠くから家に帰ってくる時には音よりも先に特徴のある振動が伝わって来て「お父さんが帰ってきた!」と家内と子供たちはわかるそうです。そのオートバイをハンドチェンジで操りながらアクセルを開け閉めしてると、他では得られない操縦感覚に浸ることが出来、これこそ”1957式”ならではで有ります。

決して速くはないし、止まるのも苦手だし、エンジンかけるのに工夫がいるし、リジットでショックが来るし、コイルバネでスピード出せないし(出してもいいけど知らないよ)オイルはじゃじゃ漏れだし、走っていていつ調子が悪くなるか心配だし、壊れたら覚悟しないといけないし、実際そんな経験を沢山してきましたが、やめられませんね。

さて路面の悪い首都高速1号線を芝浦まで走り、そこでインターを降ります。首都高速のほとんどは二人乗り禁止なのです。芝浦から新橋をかすめ銀座通りに入ります。長男の社会見学も兼ねてるので、出来るだけ特徴のある町並みを見せてやらなければなりません。銀座を抜け京橋~日本橋~神田~秋葉原~上野で、第一の目標に到着です。途中京橋の交差点では、交差点を通過しながら「このビル7階の紙代理店に勤めていたんだよ」と説明し、神田駅を過ぎる時には、「その先のビルにお母さんが勤めていたんだよ」と説明し、秋葉原では「ヲタクとメイドさんが沢山いる町だよ」と説明付のツーリングです。

本日の第一目標は上野アメ横です。1泊ツーリング用に米軍雑貨のバックを買いに来ました。長男も軍用品に興味有るので、軍装ヲタクのメッカ「中田商会」に行きます。ここで問題なのは、”1957式”を何処に駐車するかです。はじめは大通りの端に停めようとしましたが、物騒なのでそのままオートバイを押しながら混雑するアメ横にズカズカ入って行くことにしました。脳裏には仲間たちの(バイク盗難事件の数々)がよぎっています。大丈夫と思っても盗まれてしまえば後の祭りなので、多少の不便、迷惑は何のその、そのまま「中田商会」の先までオートバイを押して行きました。それでも安心できないので、店に入ったり出たりを繰り返してのあわただしい買い物です。

お目当てのバックは2300円也で安くゲットで出来、長男にもアメリカ軍のジャンパーを買ってやりました。長男は1発130円の機関銃の弾(本物、ただし雷管と火薬は抜いています)を1m位欲しいと言ってましたが、

父 :「1めーとるぅ!1発130円するのに1mも買ったら1万円もするやないか、そんなもん買うか!」

長男:「いやこれは一生もんだから、絶対欲しいし・・・・」

父 :「お前 弾抱いて寝るんか」

長男:「まあ そんなものかな」・・・・・・とあほな親子の会話をしていました。


思ったよりスムーズに走ってこれたのと、お目当てのグッズも素早くゲット出来たので、昼飯を食べようと言うことになりました。長男は「たまに来たのだから、ちょっと有名な店で食べたい」と言うので、あれこれ考えて見ました。ハンバーグ?なら(万世橋)天丼?なら(浅草)親子丼?は(人形町か銀座)例のカレー屋は日曜休みだし、帰りの道順を考えたら、中央区あたりか・・・・・。

注)この記事は2006年3月8日(旧)兎屋ブログからの転載です。