出会い 2006

6以前からお目にかかりたいと思っていた方お二人に合って来ました。 先ずお一人、滋賀県の方で「近江一閑貼」の蛯谷さんです。川崎の「さいかや百貨店」でお会いさせて頂きました。紙バンドを芯にしてそれに和紙をはり、塗料を塗って箱などの工芸品をお作りになられています。もう45年もされてる様です。すばらしい・・・。

本来は竹や木材を芯にし、和紙を貼っていくのが「一閑張」だそうですが、独自のアイデアで紙バンドを使用されてると言うことです。紙バンドを芯にしているのは蛯谷さんだけのようです。この写真は蛯谷さんが出展している、「さいかや百貨店」の催し会場です。お話に寄ると関東方面にはよく来られるようで、こうやって百貨店での催事に参加されることが多いとの事、展示している作品について丁寧にご説明くださった後で、別階の喫茶店に移動しお話をさせて頂きました。

その中で紙バンドに対してのいろいろな要望を頂くことが出来、兎屋としても大変勉強になりました。「一閑張」の場合、紙バンドより表面に貼る和紙が主人公ですので、兎屋のカラーバンドはあまり意味がありませんが、色以外の風合い等のお話は、紙バンドを使って45年の歴史を感じさせるお言葉でした。兎屋として今後は紙バンドはもちろん、紙関係のお話でご協力させていただけることになり、今から楽しみにしています。


お次の方は場所を銀座に移します。青森県の方で、造形作家さんです。去年上野で開かれた69回展で新作家賞を受けられた3人のうちのお一人で、その新作家賞の作品に兎屋の紙バンドを使って、大変迫力のある作品をお作りに成られた方です。まさか紙バンドがあんな事になろうとは。

お電話やメールでのやりとりは有ったのですが、お会いしてみると作品のイメージからは程遠い、静かな雰囲気の方でした。しかし過去の作品写真をいろいろ見させているうちに、内に秘めた情熱と言うか、しっかりと地面に吸い付いた仕事をされている印象を受けました。ここでも立ち話はなんなんで、いっしょに居られたもう一人の作家さん(千葉県出身:こちらの方はまた違った印象で個性的な方でした)と近くのカフェへ移動、私が70% 青森の方が15% 千葉県の方が15%の発言割合であっという間の1時間でした。

もともと作品を見るのが好きで、特に「グワァ====ッ!!!」とした。地面から湧き上がってくるような、空のかなたから猛スピード飛んで来て、自分の目の前でピタッって停まるような・・・・・絵で言えばゴッホの身を削って飛び掛ってくるような作品が好きなので、今回も(特に見せて頂いた過去の作品群)にはビックリでした。若い作家さん達とお話をする機会が持てて、また仕事に張り合いが出てきました。・・・・・動かない作品を見ながら頭の中であれこれ発想しているつもりですが、その発想の源が自分ではなくその作品から受けてる、作品が発信していると言う事ですね。・・・・・・。 自宅に帰ってからも今日お会いした方の話をずうっと家内にしていました。

で、椿事が一つ、この銀座の画廊のオーナーさんが静岡県富士宮市の方でした。私も数年前まで10年間住んでいた所なので奇遇です。

注)この記事は2006年2月23日(旧)兎屋ブログからの転載です。