昨日は1957年式の故障で落ち込んでましたが気を取り直し、先週の上野公園の続きです・・・。
ここ数年都内の公園を歩いてると、いろいろな大道芸を見る事が出来ます。都知事の肝いりで、東京都主催大道芸人ライセンス「へブンアーティスト」というのが発行され、免許を取得した大道芸人の方は、都内各所で自由に公演を行っても良いという事です。厳しい審査を潜り抜けた方ばかりなので、常に人だかりがしていて、見ていてとても楽しいものです。そして、その芸に感動された方は、前に置かれた入れ物にコインを入れてあげます。http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/heavenartist/

この日の上野公園にもいらっしゃいました。まずはこの楽器マンです。私が見た時は向って左の屋台の調整中でなかなか演奏が始まりませんでした。なにぶんこの姿ですから調整するところがゴマンとあります。それに怖い気もします。だって、顔に沢山付いてるので、人相、表情が伺えません・・・。この方には相棒の女性の方がいらして、その方も同じような(女性らしく可愛く?)格好でスタンバッってます。彼がギターメインで、彼女がオカリナ担当です。暫くすると調整も完了し、音楽演奏に入りました。曲目は「トトロ」の映画で使われていた曲で、なるほど・・・メルヘン系ねっていう感じでした。
あまり感動も無くさらに公園中央に向って歩いてると、今度はどこからとも無く尺八の音が・・・。(尺八っていつもどこからとも無く聞こえてきますね)ここ上野公園は場所柄年配の方が多い公園でもあります。その尺八さんの前にも10人ほどの年配の方たちが集まっています。しかしこの方は「へブンアーティスト」では有りません。座って尺八を上手っぽく吹いてますが、今ひとつ私には響いてきません。なぜだろう?と人だかりを覗いて見ると、その人の横にはいろんな大きさの尺八が並べてあります。「!」商売でした・・・。しっかりサクラさんも張り付いてます。ちゃんと和服で姿勢も良いので見た感じはそれっぽいですが、音がついていけてませんでした。でも通りすがりの白人家族からは「o・・・o syakuhati・・!」と声が掛かってました。
その帰りの事です。それは静かに微動だにせず、立っていました。

見た瞬間にお賽銭を入れたくなります!この方ちょっと有名な人で時々テレビ等で紹介されていますし、ニューヨーク市でも路上パフォーマンスをやっていたりしてるみたいです。今日は本物に遭遇出来ました。前で見るのはちょっと気力が必要なので暫く後ろの離れた所から観察する事にしました。この弥勒菩薩が得意の様です。2~3分動きません。本物の弥勒菩薩像(広隆寺のだと思いますが)は台にすわり考えているポーズですが、この方はたったままで表現しています。次のポーズは ロダン彫刻の考える人です。ポーズからポーズへの移り変わり時のしぐさや表情も面白いです。悲しげで空の一点を見つめている漂流者かと思うと、今度はゴルゴダの丘のキリストのような雰囲気をかもし出しています。そしてやおら前屈気味に体を折り、足は揃え気味に蹲踞(そんきょ)の姿勢、片手で頬づえを付くと「考える人」になります。
NHKの早朝の始まりのときだったかに 映像でこのロダンの「考える人」が出ますが、まさにその通りの姿です。その後、円盤投げの彫刻やら、ムンクの「叫び」の表情をしながら、また弥勒菩薩に戻って行きました。そこでお賽銭を入れるのは今だ!と思い、500円を置いてきました。そのときの彼との距離は40cmですが微動だにしないのでかえって威圧感があります。そして記念に写真をと思い1枚パチリとやったところ・・・・・。

その弥勒菩薩がゆっくり動き始め、なにやら看板を出して来ました。それには「カメラ→$」 と書いてありました。そしてその看板を指し占めながら、顔は悲しげに空の一点を見つめて、また微動だにしません・・・。ハイハイ判りました! さらにもう一枚コインを追加すると、今度は私の方に向って弥勒ってくれました。サービスしてくれたんですね。
このパフォーマーの方は雪竹太郎さんという方だそうです。
彼には他にもいろいろネタがあるようで、チラッと見えた看板には「雷神図」というのも見えました。ひょっとして「風神雷神図屏風」の雷神のポーズを見せてくれるのだろうか?「見たい!」と思いましたが今日はしないようです。今度どこかでこの人のパフォーマンスを見ることが出来たら是非「雷神図」を見たいものです。それにしてもうまいなぁ・・・・。
上野山の楽しい弥勒菩薩さんを思い出すと、57式の故障~修理なんて気にならなくなりました♪
注)この記事は2005年10月4日(旧)兎屋ブログからの転載です。