キャンプ場に向かう途中、カーナビで見つけた「飯田ふるさと水引工芸館」に寄り道する事にしました。
紙バンドの前段階の紙ひもを撚る場面は、水引の行程から受け継がれているので、紙バンド専門店としては一応見て置かなければなりません。子供たちは全く興味が無いので駐車場で留守番です。市立の施設かなと思って向かったのですが、違ってました。大きな土産屋さんが店の横に併設して居り、水引の歴史や行程を写真でパネル展示していますが、スグにお土産コーナーに向かうよう順路設定されてます。「写真は糸撚り器:一定の巾にスリットし、帯状に巻いた物をはさんで、それを回しながら紙帯に撚りを掛けて糸を作って行きます。現在も紙バンドの紙ひもを作る場合は同じような機械のちょっと規模の大きい物で撚っています。」そこで買ったのがコレ
どこかで見たような小細工です。500円前後だったかな?一応記念に買っておきました。発想はどこも同じなのね。・・・。しかし別のところに展示されていた水引工芸はさすがと思いました。宝船や鶴、縁起物、ウエディングドレス、そしてなにより驚いたのは戦国時代の鎧や兜をきらびやかに実物大で作ってありました。このキラキラは紙バンドで表現する事は無理ですね。水引の産地は長野県の飯田と愛媛県の旧伊予三島市、旧川之江市ですが、飯田市では製紙業が行われていないので、原紙は四国から買ってるようです。水引用の原紙と紙バンドの原紙は基本的には同じですが、水引のそれはさらに薄く抄造されていて、その紙糸に染料を塗ったり、フィルムを巻いたりしていろいろな水引を作っています。しかし今では中国で生産された安い水引が日本に輸入されてるので、長野、愛媛の水引加工は厳しい状況です。折角の技術と伝統ですが、水引に触れる機会のない今の日本ですね。
水引細工といえば、結婚の前段階・・・結納式の時に取り交わされる引き出物に縁起の良い意匠を造形された物が代表的ですが、この宝船も定番の作品です。とにかく豪華で凝ってます。

コレがビックリの鎧です。遠目に見ても近くで見ても本物の雰囲気です。知らないで見ると、水引細工だとは絶対思わないでしょう!コレは日本人の誇りですね。それぐらい工芸品としては完成されてるだけに、水引を取り巻く環境と未来を思うと、暗澹となります。
注)この記事は2005年8月18日(旧)兎屋ブログからの転載です。