子供の頃から虫好きの長男(中2)
この時期はクワガタムシとカブトムシで頭の中がいっぱいになってます。最近まではザリガニだったのですが、季節がめぐって今は「夏はやっぱりクワガタだな」とのたまっています。
おとといの晩も家内に「連れて行ってくれ~」と言ってたので、家族で藤沢市~茅ヶ崎市の北部境界線地区をあっち、こっちと夜の10時ごろさまよっていました。ムシ採集時の彼は、普段のでれ~~とした印象は微塵も無く。颯爽と夜の林を駆けています。
彼の場合クワガタムシならなんでもOKなので、ちいさいコクワガタのメスも大事に家に持って帰ります。その夜の収穫は、コクワガタ3匹と次男が偶然「拾った?」大き目のノコギリクワガタでした。次男は採集が不得意なので、偶然足元に落ちてきたノコギリクワガタを拾ったときは、声もうわずって興奮状態でした。問題はこのノコギリクワガタでした。
昨日の夜、私が家に帰ってみると、家内と長男と次男の雰囲気がおかしいのに気が付きました。「?」「どうしたの?」と問いかけても、家内はプンプンで、長男は「もう話は終わったから・・・」と言うだけです。次男はメソメソしてるので、よく話を聞いたところ、実は長男が昨日次男が拾ったノコギリクワガタを無断で学校に持って行き、不注意で逃がしてしまったと言う事です。
それが発覚し家内が切れて大怒りしたとの事でした。私はてっきりもっと大変な事でも有ったのかと、覚悟して聞いてましたが、元来ムシ系に興味が無いので、心の中では(なんや たいした事ないやないか~)と思ってましたが、よく考えてみると、長男も次男もお互いに取り返しの無いことで傷ついている事に気が付きました。
次男は喜んで拾ったクワガタの話を今日学校でみんなにして来たと言うし、長男は大変な事をしてしまったと反省して、お詫びの積りで、自分のエアガン2丁とおこづかい数千円(小銭まで全部)と大事にしていたカードを次男に渡していました。
とりあえず長男には「人から物や金を借りるのは取り返しの付かなくなる事が多いから、気をつけろ、・・・! 借りたらいけんで、・・・難しい事やけど貸すのも友達を無くすきっかけになるからの」と言っておきました。「貸し借りするんだったら、きっちり貰うか、やるか、売るか、買うかの方がいいで」とも言っておきました。
次男には「カードだけ貰って、後はお兄ちゃんに返しときな」と言って一応その場は収まりましたが、長男は「明日3:30に起きてクワガタを取ってくる」と言いながら12:00ごろ寝ました。3:30に一人で起きられるはずも無く、この件はまあ痛い勉強と言うことで終わるだろうと思っていました。

今朝、階段の気配で目が覚めました。時間を見ると5:30です。どうやら長男がゴソゴソしてるようです。さすがに3:30はきつかったかな?今からでもクワガタ取りに行くのかな?と耳を凝らしていましたが、10分位したら自分の部屋に入り寝たようでした。
やっぱりやめたのだな。なかなか3:30に起きて弟のお詫びの為に行くのは疲れるだろうなと思いながら、私も寝入ってしまいました。
次に目が覚めたのは。7:30そろそろ家族が起きだす頃です。ウトウトしている私たちの部屋に長男が入ってきて、私たちと一緒に寝ている次男に言いました。「クワガタムシとカブトムシ取って来てやったぞ」「・・・?」「何時とりに行ったのかな・・・?」寝覚めではっきりしない頭であれこれ考えていましたが、分からないので長男に聞いたところ、ちゃんと3:30に起きて一人で真っ暗な林を2時間歩いてきたとのことでした。
私が5:30に気配を感じたのは、帰宅した時の事だったようです。家内も次男も感動していました。
私はというと、これでこの子の心配はせんで済んだなと感じ入ってました。私だったら多分 3:30に起きてクワガタを採りには行かなかったでしょう・・・。クワガタがいろいろ教えてくれた1日でした。
注)この記事は2005年7月12日(旧)兎屋ブログからの転載です。