新商品を作る時、動機はさまざまです。私は「ひらり」を作った社長さんと親しくさせて頂いているので、そのあたりのことはいろいろお聞きしています。当初は、地球にやさしい商品作りということで始められました。新しい商品をゼロから作るという事は、対費用効果を考えた時、なかなか踏み切れるものではありません。特に専用の機械を作るという事は手間と時間が掛かるものです。何回もテストしたり、配布して感想を聞いて、また対策を取るという事の繰り返しです。
ところで紙業界も、いや紙業界は特に、再生紙などがあるので、お客さんたちから、再生紙やエコ商品の期待値が高いのですが、この地球にやさしい、というキーワードはなかなか実感として感じる事が出来ないものです。大きな社会の仕組みの中で、循環型社会の構築に参加する為、古紙の回収が行われています。この古紙回収のシステムは日本が世界に誇れるものですが、それは日々成長しています。その証拠に、古紙回収周辺材料がドンドン売られています。

そういう状況の中で「ひらり」が古紙回収現場の材料として生まれました。現在 古紙を梱包するのには、ビニールひもや紙ひも(断面が丸いもの:丸ひも)か 角底の紙袋が主体です。紙袋は新聞メーカーさんがお客さんに1ヶ月の集金ごとに配布し、新聞を回収していますが、角底の紙袋の為、ごみが混入される場面が多く、製紙会社から苦情が出ています。また ビニール紐は古紙をパルプ化する最初の段階で機械に投入しますが(パルパーという機械です)そこで人の手によって除かれています。 紙ひもはそのまま投入できるのですが、ひもの色(茶色か白)によって扱いが違ってきます。茶色はダンボール工場なら問題はないのですが、白物系の製紙会社だと抄紙段階で色が残るので嫌がられます。そういう時は、人手によってビニールひも同様、取り除かれています。・・・白い紙ひもを使って古紙を梱包するのが無難な方法です。
白い紙ひもを使えば問題はありません。 なので この分野に「ひらり」が入り込むのは至難のわざです。地球にやさしい というキーワードだけではだれも反応しません。それは当たり前のことになっているからです。
私が「ひらり」を手にしたときも、あまり感じる事はありませんでした。しかし「ひらり」を使って新聞を縛り、持ち上げたとき、! これは!って思いました。 ここは、昨日と同じ場面ですね。
注)この記事は2005年5月20日(旧)兎屋ブログからの転載です。