再生紙の話(その6)

以前から古紙入の紙は存在していましたが、今のようないわゆる再生紙?といったカテゴリー、に始めて大きく取り組んだ会社は本州製紙だったと私は思っています。白板紙やダンボール原紙で培った古紙の処理技術と、用紙系では無い仕入れルートを持っていたということ、それに新しい分野(印刷紙:それまでも一部印刷用紙はありましたがこの分野では他社に一歩引けを取っていました)に出て行きたいという強い気持ちがあればこその事だったでしょう。

本州製紙は「やまゆり」というブランドで中質紙を抄造したのですが、売り先が神奈川県ということで注目を集めたと思います。環境意識のあるユーザーと結びついて商品を開発していったメーカーサイドの動きも有りますが、視点を変えれば数多ある自治体の中で神奈川県が先んじたといえるでしょう。このような動きは自治体同士で広まるのが早いものです。そうなると、それらの自治体(環境に敏感なところ)は各出入りの紙屋を通じて製紙メーカーに問い合わせるという事になります。

紙屋は代理店ほどではなくともメーカー色と言うものを持っていますし、中質紙を抄いているメーカーには大手が多いので、各大手メーカーに同じ時期に同じような問い合わせが集まったといえるでしょう。当然各メーカーはそれに答えなければなりません。洋紙メーカーなら当然「やまゆり」ランクの紙は持っていましたが、同じ古紙100%といっても白色度でかないませんでした。従来なら白色度を求めるユーザーにはパルプを配合したものを提供すれば良かったのですが、古紙100%白色度70という設定の紙は無かったのです。ランク的に見れば100%古紙の紙は有りましたが、古紙入でそんなに高い白色度は求められていなかったのでした。従来古紙入の紙には白色度は期待されていなかったのです。

以前にも述べましたが、ここで出てきたのが「古紙100%であんなに白い紙は抄けないだろう、本当はパルプが入ってるのではないか」という言葉でした。私もいろんな場面で聞きました。
しかし、そんな言葉が本当かどうかよりも、各メーカーは今までとは違った紙を要求されているということは、確かだと考えたのではないかと思います。私が何回も書いている古紙入の紙 と 再生紙 の違いはここだと思っています。

再生紙とは従来の古紙入の紙から、更に一歩踏み込んだ紙の事だと思っています。再生紙には、環境に対しての強い思い入れが有ると思っています。再生紙を作るのはとても手間のかかるものです。古紙を回収して、再生パルプを作って、それを紙にしなければなりません。すべてに高いハードルが有りますが、それをクリアしたメーカーのみが再生紙を販売出来るのです。

各大手製紙メーカーが再生紙に取り組み始めました。印刷用紙のみならず、包装用紙、出版用紙など、また家庭紙にも波は及んで来ました。従来からあった古紙入の紙の家庭紙とは明確に考え方の違った再生家庭紙の登場です。再生紙の品揃えはいろんな問題をも提起しました。たとえば「再生紙の方がパルプ品の紙より高い」といったことです。なぜ高いかといえば、新たに設備を導入しなければなりませんし、新製品ということでロットがまとまらずどうしても高くなってしまいます。しかし従来の紙の意識を持っているユーザーからすれば、古紙入の紙は安いといった意識が強いので、ここで売り手と買い手の意識のずれが生じます。

昨今では「再生紙は高いですよ」といったアピールもなされてるので、両者のギャップは少なくなりましたが。当時はまだ誰も再生紙のことは知りませんでした。売っているメーカーや紙屋の人たちも自分たちが売り始めた紙が今までの紙とは違っているという事にどれくらいの人が気づいていたのかなぁと、今更ながら考えてしまいます。それは私にもいえます。

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