古紙入りの紙(再生紙?)を抄く事は、バージンパルプ(一度も紙に成っていないパルプ)の使用軽減に貢献でき、地球環境に良い影響を与えるということで、古紙入りの紙(再生紙?)を生産販売する事は製紙メーカーにとって当たり前であり、社会に対しての使命でも有るという事になっており、古紙を回収し、古紙入りの紙を抄き、社会に流通させるというシステムが曲りなりにも機能してます。但し古紙という商品の性質上、このシステムを安定して機能させていく事は大変難しい事です。その諸々の問題については今後述べてまいりますが・・。
日本は世界一の古紙回収率を誇っています。特に古紙の種類(ランク)が沢山有る中で、すそ物三品と言われている(新聞、雑誌、段ボール)は古紙回収の優等生で、それから作られる、新聞紙やマンガ雑誌、段ボール、白板紙等は、ほとんど100%古紙で作られています。但し新聞紙は印刷時に要求される高度な品質対策の為、補強の意味でバージンパルプが入って居ますが、日本の新聞用紙は世界一の古紙混入率と紙としての品質を誇っています。

車や家電など世界に誇る物がわが国には沢山有りますが、古紙入りの紙を作る技術や、印刷技術もトップクラスです。:余談ですが製紙会社は公害原因の筆頭みたいに皆さん思われるでしょうが、実は公害対策や設備や技術が最も進んでいる業界でもあるんですよ。それに古紙入りの紙を抄くという事はごみの減量化に一番貢献しているという事実にも注目してくださいね。でも紙業界はアピール下手です。
そうやって主要な紙がドンドン古紙入りを主張し始めると、今度は印刷用紙や出版用紙、包装用紙、情報用紙、家庭紙にまで古紙入りの波は広がってきます。新聞用紙やマンガ雑誌の紙(下級印刷紙、特殊更紙、特更などといわれています)、段ボール原紙はすそ物三品といわれるような安い原料で抄く事が出来ます。それで作っても充分に製品としての紙の機能は果たせています。(もちろん技術力があっての事ですが)
しかし、古紙すそ物三品ですべての紙を抄く事は不可能です。包装紙に使用すると、強度の無い紙になり破れてしまいます。印刷用紙に使用すると黒っぽい、ゴワゴワした紙になり、印刷機に掛かりません。皆さんがプリンターで使う紙には先ず適していませんね。でも 製紙会社は古紙入りの紙を作らなければなりません、社会が要求していますし、時代も要求してるのです。コレは製紙会社にはとても高いハードルです。
この「再生紙の話」その1からその9は2004~2005年頃に書いたブログ記事で、2020年1月にHPを更新したので、旧ブログから記事を移したものです。